(つゞき 「
七夕1」)
本日、太陰太陽暦七月七日。
瓜の上、または箱中の「蜘蛛の絲」は、子供の頃の七夕の笹飾りのひとつを想起させる。
そうか、あれは蜘蛛の絲(糸は旧字の方が好き)だったんだ。
あれを何んと呼んでいただろう、折紙を対角線で三角に折り、更に三角に折り、鋏で交互に切れ込みを入れて、びよーんと垂らした飾りを。
思い出せずにいたら、保育士の方から「あみかざり」とお聞きし、またネット検索で「おりがみくらぶ」の「
七夕の飾り」に「あみかざり2」を見つけた。
私の予想「蜘蛛の巣」には反していたが、「おりがみくらぶ」の「かいだん」は明らかに「紙垂(しで)」であるから、「蜘蛛の絲」が子供向けに「あみかざり」と称していることは十分に考えられる。
ところが、後日、その保育士の方が仙台七夕「七つ飾り」のひとつ、豊漁を祈願する「投網」であると調べてくださった。
七つ飾りは外に短冊・紙衣・折鶴・巾着・屑籠・吹流がある(参照
鳴海屋紙店)が、原義からは例えば鶴よりも鵲(かささぎ)が、屑籠は苧籠の方が相応しいし、紙衣の意も人形(ひとかた)とも考えられるだろう。
中国の乞巧奠が京で日本の風習と融合・変化したように、京の七夕が地方に伝播すると夫々の特色を有し、また時間の経緯もあって本来の根拠が失われることもあろう。
「投網」は仙台固有の解釈かと想定したが、七夕について調べているという知人Tさんの話では、全国的に「投網」だそうだ。
それでも、やはり「あみかざり」の本来の意味は、蜘蛛の願いの絲であって欲しい。
識者のご教示を請う。
参照 日本の笹飾りは文政年間頃、庭の行事から屋上や戸外で行うようになったことから、笹に五色紙で作ったものを飾るようになり、明治に及ぶ。
色紙、短冊、硯箱、帳面、算盤、太鼓、
西瓜、梶の葉、くゝり猿、瓢、
網、吹流しなどだ。
(江馬務著作集第8巻 「四季の行事」)
(了)
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