青磁香炉 川瀬忍・白磁茶碗 川瀬竹志
本日8月18日は旧暦7月6日で、元来「七夕」は6日夜から翌朝へかけての行事とも云う。
その起源はやはり中国で、漢代の「星合(ほしあい)」、二星(牽牛・織女)の恋物語に始まり、やがて「乞巧奠(きこうでん、きっこうでん)」へと発達していく。
漢綵女常以七月七日 穿七孔鍼於開襟楼
「西京雑記」
七月七日為牽牛織女聚会之夜
是夕 人家婦女 結綵縷 穿七孔針
或以金銀鍮石為針 陳几筵酒脯瓜菓於庭中
以
乞巧 有喜子綱於瓜上 則以為符応
「荊楚歳時記」
このようにして、庭に供えた瓜に蜘蛛が糸網を張れば、その願いが叶う徴であると云う。
唐代になると音楽を奏し「願糸(がんし)」が行われ、次の白楽天の詩は日本に伝わり「和漢朗詠集」に所収されるが、中国では逸してしまったとされる。
七夕(しつせき)
憶得少年長乞巧 憶ひ得たり少年にして長く
乞巧せしことを
竹竿頭上願糸多 竹竿(ちくかん)の頭上(とうじょう)に願糸多し
七夕の宵に竹竿の上の方に五色の願いの糸をどっさりかけて、少年少女たちが
学問ができるように、裁縫が上手になるようにと祈るのを見るにつけ、わがむかし
少年時代に乞巧奠を営んだことを思い出すことだ。
また、「開元天宝遺事」(玄宗の治世)には蜘蛛を箱に入れ、翌朝網が細かく張っていれば技が上達するとある。
参考文献 「荊楚歳時記」(東洋文庫)
江馬務著作集第8巻 「四季の行事」(中央公論社)
日本古典文学大系7 「和漢朗詠集」(岩波書店)
新編日本古典文学全集19 「和漢朗詠集」(小学館)
「日本大歳時記 秋」(講談社)
(つゞく 「
七夕2」)
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