「
黄粱一炊夢」「邯鄲の枕」を知ったのは遅く、20代中頃と「いい大人」になってからだが、「邯鄲の歩(あゆみ)」に至っては40代、2~3ヶ月前に弓の先生の話で初めて聞いた。
調べてみると、出典は「荘子」外篇 秋水第十七である。
学歩於邯鄲
(原文)
且小獨不聞夫壽陵餘子之學行於邯鄲與。
未得國能、又失其故行矣、直匍匐而歸耳。
(訓読文)
且つ子(し)独り夫(か)の寿陵(じゅりょう)の余子(よし)の行(こう)を邯鄲に学びしを
聞かずや。
未だ国能(こくのう)を得ず、又其の故行(ここう)を失ひ、直(ただ)に匍匐(ほふく)し
て帰るのみ。
(訳)
それにつけても、お前はあの寿陵(燕の村里)の若者が歩き振りを邯鄲(趙の都)へ
習いに行った話しを聞いたことがないか。
その若者は邯鄲で都振りの歩き方をまだ習得できないうちに、自分のもともとの歩き
方を忘れてしまい、とうとう這って帰ってくるよりしかたがなかったということだ。
(新釈漢文大系8 「荘子」 明治書院)
何に対しても心得ておくべき教えなのに、今まで聞いたことがないと云うのが可笑しい。
どうも中国の故事に疎い。
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