「
槿花一朝夢」で気になっていたことがある。
(原文) (訓読文)
松樹千年終是朽 松樹千年終にこれ朽ちぬ
槿花一日自為榮 槿花一日おのづから榮をなす
白
(訳)
松は千年の齢をたもつというけれど、ついには朽ち果てる時がある。
あさがおの花はかなしい花だというけれど、自然彼らなりに一日の栄を楽しんでいる。
(日本古典文学大系7 「和漢朗詠集」 岩波書店)
「一日」は「いちじつ」と訓むものと疑いもしなかったのだが、「
新釈漢文大系99」では「いちにち」の振り仮名がしてある。
漢詩を読み下すに、絶対にこれが正しいということはないだろうが、一応確認をした。
「日本古典文学大系7」「日本古典文学全集19(小学館)」では「いちじつ」と仮名。
「新釈漢文大系99」に「槿花一日の榮に同じ」を詞章にした(若干句に違いあり)謡曲として「敦盛」「兼平」「」刈萱」「源氏供養」「惟盛」「関寺小町」「千手」「宗貞」があげられている。
「敦盛」(金剛流謡本)のみの確認ではあるが「いちじつ」。
やはり「いちじつ」が慣用されているようである。
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