
(つゞき 「
その1」「
その2」)
去る8月9日、鎌倉鶴岡八幡宮のぼんぼり祭りに行った。
前日からの台風接近で、当日は房総半島上陸とて、行こうか行くまいかの思案であるが、雨降りならご飯食べでも良いじゃない、との覚悟で行くことにする。
夕方5時ころ鎌倉に着き、「雪乃福」という展覧会を見てから八幡宮に向かうと、雨の心配はなさそう。
まだ明るい中、参道に並ぶぼんぼりの書画をひとつひとつ楽しみながらお参りする。
各界の著名人が奉納されているのだが、相当に有名な画家、文筆家、俳優などはともかく、知らない方も多く、無知を残念に思う。
ところで、ぼんぼり同様、いや以上に楽しんだのが雨上がりである。
すず風、露の滴る緑、雲間から台風一過の雨過天青、なんと美しく心地良い。
初めてなので分からないが、もしかしたら、台風を懸念して今日は人出が少ないのかも知れず、そうであればまったく運が良い。
さて、ぼんぼりに火が燈されるまで食事をしようと入った小料理屋は中々に美味しく、当てずっぽうに選んだ店であったが、私達は鼻が利くねと満足。



店を出ての雨に、あらあらと八幡宮へ向かうが、通り雨であったらしく、直ぐに降り止む。
雨のため、ぼんぼりの一部は片付けられていたが、お人も片付いている。
暗闇の中のともし火、そして打ち水されたように濡れた延べ石に灯りが映る、今年初めて聴く虫の音、幻想的な境内のそぞろ歩きを楽しんだ。(了)

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