
(つゞき 「
作法教室5」)
今月の作法教室は、花を自由に入れることを指導した。
和の文化は、自然の中に存在することを自覚することが肝要で、季の花を入れたい。
洋花でも構わないのだが、例えばチューリップを見て「あぁ、

春がきたな」と思えれば良いのだが、温室物や輸入物が1年中花屋に並ぶため、季節感に乏しい。
その点、和花は温室で作られることが少ないので、季節の移ろいを感じることができる。
(水仙、3月の桃、5月の菖蒲等は温室で作られ、疎ましい)
器は、花入(花瓶)と食器など花入でないものを用意した。

西洋の室礼が足し算なのに対し、日本の室礼はそれを引き立たせんがための引き算である。
日本の絵画が余白の美を尊ぶように、そぎ落としてゆく。
家庭の床の間には、季の掛物と花を飾るのが一般的で、違棚や書院があっても1、2点にとどめておくと、それらが活きる。
また、初心者は花入に入れる種類も本数も少なくするのを勧める。
多くの種類や本数を入れるのは技術が必要である。
上:花を選ぶA組(水曜) / 中:花を入れるB組(木曜)
下:花を床の間に置く(
Ryokusuian Hana の画像も参照されたし)
参考
「花は野にあるやうに」
「小座敷の花は、かならず一色を一枝か二枝、かろくいけたるがよし。勿論、花によりてふわふわといけたるもよけれど、本意は景気をのみ好む心いや也。四畳半にも成りては、花により二色もゆるすべしとぞ。」(いづれも『南方録』)

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