我が家には女が三人いて、きものの収納は頭が痛いところである。
母が布
キレを大切にする人で、また私がきもの好きなので、きものを頂戴する事が多い。
そのまま着ない場合は、新たに生まれ変わらせるが、そのことは別の機会に書く(「
我が家は布を捨てない」)。
大叔父宅の箪笥が不要という事で、もらい受ける話もあるが、家が広いわけではない。
きものを沢山持つなら、箪笥も数置けるよう家が広くなければならず、家の大きさに見合ったきものを持つのが正解である。
しかし、不正解でも、きっと大叔母の箪笥は到来することになるのであろう。
さて、私のきものは自宅でなく、稽古場の納戸の箪笥に入れている。
一棹は
日常着用の松本箪笥で、外側は松材なので欧州風だが、内側の引出部分は桐材である。
私は、使い捨てができない性質
タチで、買物はほとんど
しない代わりに、買う時は一生ものを買いたい方である。
これは、15年位前、予算の都合で総桐は諦めて購入したもので、はじめから着物を入れることを考えて作られているのか、引き出しの大きさなども使いやすい。
20代の私には高価であったが、よい買物であったと思う。
きものは畳紙に包んで、包まずと一枚おきに入れ、帯は包まずに間に紙を挟んでいる。
これには、
枚数多く入れられる以上に、
早く取り出せる利点もある。
この箪笥の奥、直角に衣桁があり、ここに立つと一歩も歩かずに一式全てが取り出せ、きものが
手早く着られるようにしている。
というより、一歩も歩けないスペースというのが本当のところで、鏡も置けず、対面
トイメンに置いた飾り棚のガラスに襟元などを映している。
(つゞく 「
きものの収納2」)
参照 緑水庵HP 庵主の着物について「
こしらへ」
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