(つゞき 「
身にまとう和のにほひ4 塗香」)
昨日は、柚子湯になさった方も多いと思う。
端午の節句に菖蒲湯、冬至に柚子湯など、日本には年中行事と結びついた湯がある。
ところで、西洋でエッセンシャルオイルをバスタブに落とすように、東洋では香料を湯船に浸して浴してきた。
女性が美を保つに風呂は重要であるようで、世界三大美女のクレオパトラや楊貴妃の香料風呂の逸話は名高い。
ちなみに、小野小町の時代、日本では湯船に浸かる習慣がないため、風呂に関してはないが、平安時代の香の活用法は
極めて高度である。
さて、「金光明最勝王経 第15章」に、七福神のひとり弁財天は32種類の
天然香料風呂で、災難から身を守るとある。
麝香、菖蒲、艾、桂枝、沈香、丁子、甘松、安息香、肉荳蒄
ニクズク、藿香
カッコウ、鬱金などを布袋に詰め、湯船の中でパッティングするそうである。
元来、インドの神だけにアーユルヴェーダ風と云おうか。
また、中国より
浴湯香が日本に伝わり、「薫集類抄」に、※蓿
カシュク香、零陵、茅香、甘松、それに時として沢蘭
サワヒヨドリを入れた水を沸かし、これを浴びるという記載がある。(※竹冠に固)
これらは、美容以上に破邪や健康などを考慮した処方であったようだ。
男性も心身の健康(男性にも美容は必要か)のために、丁子や肉荳蒄など手に入りやすい香料2種ほどを湯船に入れてみるのもいいかもしれない。
(つゞく 「
身にまとう和のにほひ6 浴湯香②」)
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