
今週は平家WEEKだった。
9日に文楽『義経千本桜』の「渡海屋・大物浦の段」と「道行初音旅」、11日に狂言『政頼』と能『重衡』を観た。
勿論どれも史実通りではないが、 「渡海屋・大物浦」は知盛(清盛四男)が主人公、『重衡』は重衡(清盛五男)がシテ。
文楽 「渡海屋・大物浦」は能『船弁慶』をもととし(能『碇潜』も取り入れている)、能の知盛が幽霊であるのに対し、 文楽では知盛は壇の浦で討ち死にせずに生きていて、幽霊を装い義経を狙うが、最後は碇を担いで入水する。
能『重衡』の後シテ重衡の霊は、南都に火を放ち、後に一の谷で義経らに捕らえられ処刑された自らの過去を、ワキの旅僧に語る。
仏に背きながら仏に救いを求め、苦悩するが往生は叶わず、最後は修羅道に堕ちる。
「渡海屋・大物浦」『重衡』ともに、清盛子息が生々しい合戦の末に死を迎え、武士
もののふの義、無常、死生観を描いている。
平家の公達達の物語は能や浄瑠璃となり、武家だけでなく町家にも浸透したため人気がある。
祇園精舎の鐘の聲 諸行無常の響あり
娑羅雙樹の花の色 盛者必衰のことはりをあらはす (
参照 「
夏椿」)
おごれる人も久しからず 只春の夜(よ)の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ 偏に風の前の塵に同じ
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