
我宿の垣根や春をへたつらん
夏きにけりと見ゆる卯の花
本日稽古した組香「卯花香」は、上記の源順の歌を踏まえています。
詳細は書きませんが、この組香は晩春と初夏を卯花の垣根で分かつ趣向です。
我が家の垣根は、春を隔ててしまったのだろうか。
夏がやって来たと見えるような、一面の卯の花だ
よ。
(新 日本古典文学大系7 『拾遺和歌集』
岩波書店)
卯花は空木の別名、かつては生け垣に植える一般的な木で、小さな白い清楚な花をつけますが華やかとは言えません。
しかし、旧暦4月を卯花が咲くことから「卯月」と称すほど、初夏を代表する花です。
六玉川は各地の玉川とその景物を詠み、摂津三島の玉川では卯の花を詠んでいます(
参照 「
六玉川1 三島の玉川」「
同2 玉川香」)。
志野茶碗「卯花墻」(三井記念美術館蔵)は、私が大好きな茶碗のひとつです。
おからの別名を卯の花とも云いますね。
このように身近な花でしたが、現在は見かけることも少なくなりました。
数多く詠まれる卯花の歌や「卯花香」により、古えを偲ぶのも一興です。
志野流香道 → 緑水庵HP「
稽古」から「香」をクリックしてください。
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