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2014年 03月 29日
![]() 能『松風』は須磨に流された在原行平と汐汲みの海人松風・村雨姉妹の恋物語である。 能『松風』は行平の歌、仏教説話『撰集抄』(13C中)に想を得てはいるが、直接の典拠は『源氏物語』須磨の巻に基づき、随所に引用されている。 さて、能『松風』では月夜の晩に姉妹が海水を汲む(実際は昼間の仕事)場面があるが、行平がいくら蟄居中とはいえ、実際にそのような身分の女性と関わるとは思えない。 遊女のことを「海人の子」と云うから、海人少女アマオトメは遊女(白拍子も含む)の比喩なのだろうか? 『古今集』巻第八 離別 題しらず 在原行平朝臣 立ちわかれいなばの山の峰に生ふる松としきかば今かへりこむ 『古今集』巻第十八 雑歌下 田村の御時に、事に当りて、津国の須磨と言ふ所に籠 り侍けるに、宮のうちに侍ける人に、遺はしける 在原行平朝臣 わくらばに問人あらば須磨の浦にもしほたれつゝ詫ぶとこたへよ 『源氏物語』須磨の巻 おはすべき所は、行平の中納言の、藻塩垂れつつわびける家居近きわたりなりけ り。海づらはやや入りて、あはれにすごげなる山中なり。 『続古今集』巻十 羇旅 津の国のすまといふ所に侍りける時、よみ侍りける 在原行平朝臣 旅人は袂すずしくなりにけり関吹き越ゆる須磨の浦風 『源氏物語』須磨の巻 須磨にはいとど心尽くしの秋風に、海はすこしとをけれども、行平の中納言の、関吹 き越ゆると言ひけむ浦波、よるゝゝはげにいと近く聞こえて、またなくあはれなるもの は、かかる所の秋なりけり。 『源氏物語』須磨の巻をよりどころにしているが、夕顔の巻には8月15日の翌日に夕顔が源氏に名を聞かれ、海人の子なので名乗らないと云う場面がにある。 ここでは、もちろん海人または遊女ではなく、宿の定まらない者なのでというニュアンスか。 つきせず隔てたまへるつらさに、あらはさじと思ひつるものを。いまだに名のりし給 へ。いとむくつけし」との給へど、 「海人の子なれば」とて さすがにうちとけぬさま、 いとあひだれたり。 『撰集抄』巻八「公任進位并行平遷流之亊」 (略)昔行平中納言と云人、いまそかりける。身にあやまつ事侍りて。須磨浦に被流 て。もしほたれつつ。浦つたひしありき侍りしに。繪嶋の浦にて。かつきする海士人 の中に世に心とゝまり侍けるに。たより給ひて。いつくにやすみする人にかと尋給に。 此海士取あへす。 白波のよする渚に世をすこす海士のこなれは宿も定めす と讀てまきれぬ。中納言いとゝ悲く覺て。泪もかきあへ給はすとなん。浪のよるひる かつきして。月やとれとはぬれねとも心有ける袂哉。浪に波しく袖のうへには。月 を重ねてなれし面影。其ぬれ衣を片敷て。船の中にて世を渡る。海士人の中にも。 かゝる情有類も侍けると覺て。殊に哀に侍る。歌實に優に侍り。 (『続群書類従』 第32輯下) 『撰集抄』の「白波の」の歌は『和漢朗詠集』巻下 遊女(『新古今和集』巻十八 雑歌下では3句目が「世をつくす」)に所収される。 白波の寄するなぎさに世をすぐす海人の子なれば宿も定めず 海人詠 能『松風』は仲秋の名月が舞台で、また月が重要な役目をなすのは『源氏物語』『撰集抄』に準拠していると思われる。 参考文献 金剛流謡本『松風』(檜書店)、『撰集抄』(岩波文庫) 新 日本古典文学大系『古今和歌集』『源氏物語 一』『同 二』(岩波書店) 『室町時代物語大成』12巻(角川書店)、他 (つゞき 「塩焼4」) (f Likeはフェイスブックに登録の方のみ反映) 両方のclick! ありがとう。 → ![]()
by ryokusuian
| 2014-03-29 14:55
| 能・文楽・歌舞伎
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