蝋梅の語義が蝋細工に似る(
参照 「
salon de thé 今日のしつらい」)、と云う一説はよく知られるが、蝋細工を見たことがない。
蝋細工と聞くと、乏しい見聞では近年の「蝋人形」「食品サンプル」しか思い浮かばず、これらは石油原料のパラフィン蝋が材料だ。
蝋梅で云うところの蝋細工は木蝋
モクロウだろうから、その蝋細工を知らない。
木蝋(主に櫨
ハゼ蝋)の用途は、和蝋燭、鬢付・口紅など化粧品、研磨材等である。
拙庵にある櫨蝋製品を集めてみた。
中上:櫨蝋から作った和蝋燭
右3本は内子「大森弥太郎」製
それより左は京都で購入
中下:櫨蝋から作った鬢付
酸化したのか変色、ちょっとベタベタ
(
参照 「
鬢付油」)
しかし、蝋燭と云うと和蝋燭でなくパラフィン蝋で作った洋蝋燭を思い浮かべる方が多かろう。
下:パラフィン蠟から作った洋蝋燭
左は越前絵ろうそく
また、口紅も多くはパラフィン蝋を使っている。
私は動植物由来の蝋の口紅やグロスを選んでいるが、蜜蝋・キャンデリア蝋・カルナウバ蝋・米糠蝋などに比べて木蝋(櫨蝋、ジャパンワックス)を用いたものは少ない。
使い勝手が悪いのか、いやきっと製造の手間とコストが見合わないのだろう。
色々な職人技の現場で云えることが、櫨蝋製造にもありそうだ。
後日記('25.1.25) 「蝋細工に似るので蝋梅と云う」の蝋細工の材料は木蝋と確定的に
推量していたが、北宋時代の蝋細工をさす(
参照 「
蝋梅2」)と知り、確定は取り消す。
北宋の蝋細工はやはり木蝋か、蜜蝋か、それとも他の蝋か。
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