先日、茶事においでくださったMさんから刻み煙草「小粋」をいただいた(上の中)。
Mさんは老舗煙草店「吉田又七商店」のご主人。
そういえば、私も「小粋」を含め何個か持っていることを思い出した(中)。
茶事では四度ほど煙草盆を出すので、その為に購入したもの(「小粋」、下の「山吹」)と、昭和10年生まれの知人から頂戴したものである。
ただし、すでに時間が経っていて喫めないと思う。
喫し方が分からないのもどうかと思い、文楽の人形遣いK師匠に教わったことがある。
刻みの丸め方や火の付け方以外に、武家や町家の女と遊女の煙管の持ち方などの違いなどもお聞きして興味深かった。
また、京都工繊大のH先生に伺った煙草の喫し方
も印象深い。
H先生は俳優の中村雅俊氏と同世代かと思うが、学生時代は下駄を履き、腰に煙管を挿していたとか…ちょっと良いわ~。
そして、煙草を喫む時は左掌に雁首をポンポンと吸い殻を落とし、右手で次の刻みを丸めて雁首に詰め、左掌にのせた吸い殻を火種とするそうだ。
「熱くないんですか~?」と驚いてお聞きしたら、掌でコロコロと転がしていれば大丈夫だそう。
粋である。
さて、流儀により異なるだろうが、裏千家では必ずしも亭主側が煙草と煙管を用意する約束はなく、最近は煙草盆に火入と灰吹だけの方が多いように見受けられる。
それは、客が持参の煙草を自分の煙管で喫むのを前提にしているのだが、昨今の嫌煙ムードも影響しているのだろう。
ところで、茶には直接関係ないが、火打石も粋な小物と思う(
参照 「
火打具1」)。
(上)左:紙煙草入(煙草畳紙とも)、右:煙草入(三代岩木秀斎塗)
(中)左:「やまぶき」2箱、中の上:「ききょう」、中の下:「ゴールデンバット」(巻煙草)、
右:「みのり」2箱
(下)煙草盆 行李蓋
火入 青交趾阿古陀形 永楽造
(f Likeはフェイスブックに登録の方のみ反映) 両方のclick! ありがとう。 →