過日、茶の湯稽古のため干菓子「八橋」を作った。
材料:杜若の花(みじん粉・和三盆・紫芋フレーク)
葉(うぐいす黄な粉・砂糖・水飴)←
千筋使用
紫の着色料を持っておらず、また赤と青で紫を混ぜて紫色を作るのは難しいので、紫芋フレークで着色した。
以前、外郎「
唐衣」、棹物「
藤のかをり」を紫芋フレークで染めるのは成功したが、今回は上手くいかなかった。
少量の水ではフレークが溶け切らず、斑になってしまったし、堅くなってしまった。
せっかく作ったのに残念で、紫色素をネットで探して注文した。➝ 「
色素4」
「八橋」は「伊勢物語」第9段「東下り」の一部分で、源氏物語に同じく絵画や工芸の題材に良く使われる(留守文様も多い)。
昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方
に住むべき国求めにとてゆきけり。もとより友とする人、ひとりふたりしていきけり。道
知れる人もなくて、まどひいきけり。
三河の国、八橋といふ所に至りぬ。そこを八
橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ八橋
といひける。その沢のほとりの木の陰におりゐて、乾飯食ひけり。
その沢にかきつ
ばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人のいはく、「
かきつばたといふ五
文字を句の上にすゑて、旅の心をよめ」と言ひければ、よめる。
唐衣(
からころも)
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる旅(
たび)をしぞ思ふ
とよめりければ、みな人、乾飯の上に涙落として、ほとびにけり。
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