「氷餅
コオリモチ(凍み餅)」は、
寒天と同じような製法で、やはり菓子の材料として用いる。
『日本国語大辞典』(小学館)には「凍餅
シミモチ 餅を薄く切って、寒中の戸外などに出し、凍らせたもの。湯に浸して、砂糖などをかけて食う。氷餅」が載る。
しかし、私が云いたいのはこれではなく、信州諏訪などで製される下記の「氷餅」である。
もち米を一昼夜水に浸し、水を加えながらもち米を挽いて乳白色の液を作り、5時間炊いて糊にする。
小泉定次郎商店の御氷餅 型に流した糊を3日間野外で凍らせ、棒状に切り分け紙に包
み、藁で結わえて20日間寒晒しにし、凍結・乾燥を繰り返すと出来上がり。
和菓子では氷餅を細かく砕いて、例えばきんとんの上に散らして「
霜」や「雪(
寒牡丹・
寒椿)」を表現する。
また、道喜さんの白い餅の「雪餅」・萌葱色の「
若草」・薄紅色の「
嵯峨の春」は、餅全体に氷餅をまぶして雪や霞や朧など光の柔かさを感じる姿で、茶味がありつつ品格がある。
だから、氷餅は純粋に菓子の材料と思っていたが、20年程前に諏訪を訪れた時に、菓子に用いるようになったのは明治
以降と知った。
お店で、昔はお乳の出の悪いお母さんが食したり、また湯
で溶いて母乳代りにもしたと教えていただいた。
(参照 いとおかしHP 「
白雪糕」~米粉菓子をお湯で溶く)
寒冷地で凍結・乾燥を繰り返して製されるものは、他に氷豆腐(凍み豆腐とも云うが高野豆腐の方が通るか?)・氷蒟蒻(凍み蒟蒻)・氷大根(凍み大根)がある。
(氷大根:私は食したことがない。沢庵
タクアン用の寒干大根や切干大根は凍結ではないので異なる)。
(つゞく 「
氷餅2 氷餅の祝」)
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