
(つゞき 「
その6」)
前夜も近江八幡泊まり、旅行3日目。
従姉妹が車を出してくれたので、交通の便の悪い所を選り、まずは石道
イシミチの石道
シャクドウ寺へ。
井上靖『星と祭』では、
渡岸寺の観音さんは何時でもお参りでき、石道のは大三浦が鍵を開けてもらうまで時間が掛っているが、現在は常時参詣可能。
『星と祭』と同じく今も村の方々がお守りしていて、堂内に入るとお厨子を開け、お参りが終ると閉めてくださる。
お堂や仏像の配置、すなわち厨子内の十一面観音(他の2体の観音も含め3体)はじめ、持国天・多聞天など、は当時と同じようだ。
案内の方の話しぶりや態度から観音さんへの信仰や愛情が感じられ、やはり以前は秘仏の観音さんだったとのお話は彩色が思いの外残っていて頷ける。
厨子におわす箱入り娘のような観音さんは、少し恥じらっているように見えた。

次の近江孤篷庵に行く途中に木之本へ立ち寄る。
木之本地蔵院本尊は秘仏の木造地蔵菩薩立像(鎌倉時代)で、日本三大地蔵(三体の選択には諸説あるが木之本地蔵はまず入るようだ)のひとつである。
木之本は北国街道の宿場町で、古くから酒や醤油など醸造業が栄えたとのこと。
「秘仏」、湖北の十一面観音の多くは秘仏で、『星と祭』の嘉山らも伝
ツテを頼ったり掃除の日を狙っている。
現在は石道寺のように参詣できるようなったところもあるが、まだまだ通常はお目にかかれないところも多い。

米原の観音寺(三成「三碗の才」の寺)は要予約とあるので可能かと思ったが叶わず、『星と祭』でここを最後に一応終結している
長命寺にいたっては拝見しようと考えもしなかった。
「秘仏」の理由について、これまであまり意識してこなかったが、なかなかに難しく、今後の課題としたい。
(つゞく 「
その8」)

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