(つゞき 「
梅1」)
梅の別称・異名は、中国由来のものと日本で生まれたものとがあり、数が多い(五十音順)。
参考となりそうな事柄を添えたが、良く判らないものもあるので間違えは御指摘いただきたい。
・
一枝イッシの春
「折花逢驛使 寄與隴頭人
江南無所有 聊贈一枝春
(陸凱「贈范曄」)」
・
花魁カカイ(百花魁
ヒャッカノサキガケ)
中国のみならず、
「梅花ハ独天下の春ニ先ダッテ開く故 百花魁ト云 花兄トス
(貝原益軒『大和本草』)」
・
風見花(香散見草)
カザミグサ
「香散見草 梅 (略) 山里の軒端に咲けるかざみぐさ 色をも香をも誰れ見はやさん
(『蔵玉集』)」
・
風待草カゼマチグサ
「異名 (略) 匂草 梅 風待草 同
(『蔵玉集』)」
・
香栄草カバエグサ(コウバエグサ)
「香はへ草 是も異名也。み山にはみ雪ふるらし難波人 うら風しほるかはへ草かな
(『藻塩草』九・梅)」
・
玉骨ギョッコツ (『節用集』)
・
朽木クチキ
単に朽ちた木の印象からか、もしくは地名
(滋賀県の朽木クツキが著名だが?)からか?
「古寺の朽木の梅も春雨に そぼちて花ぞほころびにける
(源実朝『金槐和歌集』)」
・
香雪
「梅雪争春未肯降 騒人閣筆費平章 梅須遜雪三分白 雪却輸梅一段香
(盧梅坡)」
「一枝梅花和雪香
(『禅林句集』)」
「花の色は雪にまじりて見えずとも 香をだににほへ人の知るべく
(小野篁『古今集』)」
「梅の香のふりおける雪にまがひせば たれかことごとわきて折らまし
(貫之『古今集』)」
・
好文木コウブンボク
中国、晉の武帝が学問に励んでいる時は梅の花が開き、学問を怠る時は散りしおれ
ていた「晉起居注」に見えたといわれる故事
「唐の帝のおん時は、国に文学盛んなれば、花の色を増し、匂い常より勝りたり、文
学廃れば匂ひもなく、その色も深からず、さてこそ文を好む、木なりけりとて梅をば、
好文木とは付けられたれ
(謡曲『老松』)」
「梅云好文木 故事在晉起居注 晉武好文則梅開 廃学則梅不開
(人見壹『東見記』)」
参考文献 『日本国語大辞典』(小学館)、他
(つゞく 「
梅3 梅の異名2」)
←click! (クリックいただくと、ランクアップ) ありがとう。