
今日の茶の湯稽古のため、水羊羹を作った。
古え羊羹と云えば蒸し羊羹のことで、煉り羊羹は意外に新しく(寛政年間1789-1800)、水羊羹はさらに新しい。
いつも菓子について調べる『御前菓子秘伝抄』『嬉遊笑覧』『守貞漫稿』(これらは18C前~19C中成立)などでは見出すことが出来ず、それ以降の創
始とも考えられる。
虎屋のHPでも、創製年代は書かれていない。
水羊羹の起源は定かではありませんが、初めて「水羊かん」と菓銘が記されている
のは延享3年 (1746) です。その後安政3年 (1856) の資料に水羊羹の原材料と
して「小麦のこ」「葛のこ」とあり、この当時の水羊羹は葛と小麦粉が使われていたこ
とがわかります。後年、寒天を主原料とした現在のような水羊羹が広まり、今では代
表的な日本の夏菓子になっています。
さて、虎屋のHPにもあるように、冷たい水羊羹はつるりとした食感で、夏に相応しい菓子だが、本来は冬に作るものだったと聞く。
夏の菓子の定番になったのは冷蔵庫普及以降なのだろうか?
今でも水羊羹は冬のものという地域があり、中でも福井は有名で、炬燵に入って水羊羹を食べるらしい。
暖かい部屋で冷たい蜜柑やアイスクリームを食べるのは美味しいから、納得する。
冬の水羊羹と云うと、京都の田丸屋の「京の冬」も美味しい。
冬のある朝、田丸屋さんのご主人が茶の先生宅(私は住み込みをしていた)に水羊羹を差上げていたのを御相伴をした。
(予告なしで届けられたのは、明朝は氷点下になると思われる夜だけに作るからだろう)
それもひと抱え程の羊羹舟(塗りの木箱だったかしら?)ごとで、スプーンですくって食べて(柔らかい)、残りは庭に出しておく、といった保存法だ。
(つゞく 「
水羊羹2」)

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