今日の茶の湯稽古のため、「朧
オボロ饅頭」を作った。
朧饅頭とは薄皮をはがして表面をふわふわにした饅頭で、朧は「はっきりしないさま、ほのかなさま、薄く曇るさま、ぼんやり、ほんのり、朦朧
モウロウ、春の季語(広辞苑)」。
表・武者小路千家の利休忌には、「朧饅頭」虎屋製(小麦饅頭)が用いられると聞く。
表千家の皮は梔子で
黄色に染め(黒糖餡)、武者小路のは
白下糖を入れるので
茶色である(御膳餡)。
これら朧饅頭は「利休饅頭」とも呼ばれるが、各地のおまん屋さんにも多種多様な利休(利久)饅頭がある。
ところで、不祝儀に関西では
黄白饅頭や朧饅頭、関東では
青白・
茶白が一般的なので、
黄色や
茶色の朧饅頭は不祝儀の感覚もある。
しかし、利休忌は不祝儀でなく、また表千家の
黄色の(一般も購入可)は朧月に見立てられるので、裏千家を学ぶものとしては季節の菓子として用いるかどうか迷うところ。
武者小路のは、お留め菓子のようで購入不可。
さて、今日のは霞立つ遠山桜の意で
薄紅色の皮、菜の花(朧月でもよい)を
黄身餡で表現した。
割ったおまん(包餡が下手で恥ずかしい)は、薄皮をはがしていない。
右は末富製「うすべに」で、しおりには、桜・底紅の槿
ムクゲ・紅葉・紅梅など四季の風情に相応
フサう、とある。
参考文献 「利休大辞典」(淡交社)
「和菓子歳時記」千澄子著(国際情報社)
「茶席の菓子」鈴木宗康著(世界文化社)
(つゞく 「
朧饅頭 '12」)
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