
利休の茶会の菓子には、栗・椎茸・煎餅なども多いが、麩の焼が最も多く使われている。
天正15(1587)年1月5日の会(今井宗久茶湯日記抜書)、天正18年8月9日の朝の会(久好茶会記)に出されている他、「利休百会記」「南方録」にも多く出ている。
それがどのようなものか然
シカとは解らないし、名称
にも諸説あるようだが、いくつか資料を挙げておく。
①『御前菓子秘伝抄』(1718)
ふのやき 小麦を、水にてしるくこね、ちいさき平銅
ヒラアカヽネ鍋に
くるみの油をぬり、
少しつゝ入、うすくひろけ、やきて、むきくるみをきさみ、山椒味噌、白さたう、けしを、
中へまきこめ申候。
②『嬉遊笑覧』(1830)
麩の焼とは物の名とも聞えぬ呼やうなり、おもふに麩焼といふ物あるから、まがはぬ
やうにいひるにても有べし、むかしは両度の彼岸の内仏事には是を作りしとぞ小麦
の粉を水で解き、やき鍋の上にてうすくのべて焼たる片面に味噌をぬり巻きて用う、
これ上にみえたるけんぴやき
(参照「麩の焼2」)なり。
今日の茶の湯の稽古(利休忌の趣向)に作った麩の焼は、鉄のフライパンに
胡麻油(生搾り)で焼き、山椒味噌(白味噌・砂糖・
青実山椒)に胡桃と芥子を入れた。
参考文献 『近世菓子製法書集成 1』(東洋文庫・平凡社)、『利休大辞典』(淡交社)
(つゞく 「
麩の焼2」、参考 「
同'15」「
麩の焼に似たもの」))
※ '13.8.9以前の記事はGoogle Chromeでは画像や文字がずれますので、
Interneto Explorerでご覧ください。

←click! (クリックいただくと、ランクアップ) ありがとう。