「卯杖・卯槌
その2」で、なぜ卯の日が不祥日なのか解らないと書いたところ、知人Sさんが白川静字書三部作の「卯」を見てみては、と示唆をくださった。
卯 ボウ(バウ) さく ころす
①さく、牲肉をさく、肉を両分する。
②ころす
③十二支の、う
④茂と通じ、しげる
⑤ほぞ、あな
牲肉を両分する形。卜辞に、祭祀に犠牲を割く意で用いており、劉殺の意。
[説文]
十四下に「冒
オホふなり」と同声の字をもって訓するが、その義の用例はない。
卜辞に、「祖乙
ソイツに羌
キャウ(外族の名)十又(有)五を侑
ススめ、羊
(緑水庵註:ワカンム
リに羊)を卯
コロし、一牛を侑めんか」「唐
タウ(湯
トウ)に三十羌を侑め、三十牛を卯
コロさ
んか」など、牛羊の牲について卯ということ多く、その犠牲を両断して用いた。
(『字統』平凡社)
なるほど、牲・殺すを意味する字の日を穢れの日、忌み日と考えてもおかしくない(中国の思想などを調べれば、簡単に解るのかも知れない)。
一方、卯の日を祝日とする考えがあり、それは忌み日が祝い日に転じたのではないかと思う。
ふりかかる穢れを祓う日に、特別な儀式をしたり饗応をする、例えば端午の節に節会を行い、節供を饗することから、祝日となるように。

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