過日、東京都庭園美術館に行った。
「朝香宮のグランドツアー」展
夕方5時前に行ったのだが、正門を入ると、燈籠が点々と燈されていて美しい。
正門からのアプローチと日本庭園の紅葉ライトアップ(期間限定)を知らなかったので、思わぬ歓迎を受けたようだ。
建築自体の公開にはこれまでも行っているが、夜は初めてで、建物内部から夕闇迫る窓の外を見ると幽玄で、庭園から建物内の灯りにかつて一つの家族が暮らしていたという温かさを感じる。
東京都庭園美術館HPの解説を要約すると
Grand Tour とは、かつてイギリス貴族の子女たちが、見聞を広め様々な経験を得
るため、御用掛や家庭教師を同伴し、赴いた数ヶ月から数年に及ぶ海外旅行で、かく
して一人前の英国紳士や淑女へ成長した。
日本の皇族然りで、朝香宮鳩彦
ヤスヒコ王は当初単身渡欧したが、現地で自動車事故
に遭ったことから允子
のぶこ妃も渡仏、約2年半を夫婦でパリ滞在、欧州各国を訪問。
その経験が、帰国後「アール・デコの館」となって具現化されることとなる。
庶民には想像もつかないほど贅沢で華麗な生活だが、皇族の身分を伏せ「朝伯(爵)」の肩書きで行動したそうで、何かと堅苦しいからという事情は判りようもないながら推察はする。
また、日本に残る宮や姫宮に贈った多数の葉書の文章に、皇族というより一人の優しい父親があって、この展覧会で一番印象に残る。
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