(つゞき 「
酉の市2」)
酉の市の縁起物「熊手」「黄金餅」「頭芋」のうち、「熊手」については既に書いた。
さて、「頭芋」は「とうのいも」とも「かしらいも」とも云い、茹でた頭芋を竹笹に刺して、売られたそうだ。
現在でも、浅草鷲神社の鳥居近く「芋かん」では、「八ッ頭
ヤツガシラ」「大頭
オオガシラ」と札が立てられていたが、茹でた芋は見当たらなかった。
「唐芋
トウノイモ」とも書くらしいから「大頭」は海老芋だろうか。
頭芋は、たくさん小芋をつける「子孫繁栄」、「人の頭
カシラに立つ」と云う意味があるそうだ。
京都の正月の白味噌雑煮、家長には八ッ頭(頭芋)を入れるのと同じである。
「黄金餅」は粟餅のことで、現在は売られていないらしいが、何故無くなってしまったのだろうか。
「切り山椒」がそれに代わっての名物。
「切り山椒
キリサンショ」
江戸時代には正月にこれを売り出した。
小堀遠州の好みともいわれるが、下町の江戸っ子に
親しまれた菓子で、山椒のはいった焦茶色のしん粉。
1センチほどの拍子木形に切ってある山椒の風味の
ある季節菓子である。
『茶菓子の話』 鈴木宗康著、淡交社
本来正月や節分のものらしいが、酉の祭は正月迎えの市のような性格を併せ持つようだから、売られるうちに名物になったのだろう。
商魂の現れか10月19・20日のべったら市(恵比寿講のお供えを売る市が起源)でも売られている。
左上は、今年私が長國寺境内で購入したもの。
左下は、数年前に友人Tさんから頂戴したもので、この袋の方が可愛いが、Tさんも何処で求めたか忘れてしまったそう、何処のだろう?
上は四色、下は五色(五行になぞらえた?)とカラフルだが、今度は本来の焦茶一色を買ってみよう。➝ 焦茶も含めて作ってみた(「
酉の市5」)。
参照 「
酉の市豆知識シリーズ]
(つゞく 「
酉の市4」)
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