(つゞき 「
上村松園展2 日本髪」)

20歳ころ、松園の姉様遊び(
参照 「
上村松園展1」)のあとをたどって遊んでいたのだが、今回久しぶりに同じように遊んでいる。
当時より多少知識が増えていれば嬉しいのだが。
例えば「わか葉(展覧会図録81)」、髪が両輪か先笄かは判断が難しく、櫛・前挿し・笄・根挿し(一本は珊瑚の玉簪)・いち止め(珊瑚の細工)は鼈甲、
手絡は洗朱と萌黄の鹿の子絞り。
話が逸れるが、松園の好みなのか時代の好みか、ほとんどが鼈甲の髪飾りを挿しているし、また鹿の子の手絡が多く、「天保歌妓(図録41)」のような芸妓の島田髷にも鹿の子を掛けている。
着物は単衣で、画中の若葉と同じ色、白緑
ビャクロクで、家紋は五三の桐(袖後ろに紋がないので一つ紋か三つ紋)、長襦袢は朱のぼかし地に染め疋田か?
帯は、まだ若いが人妻らしく落ち着いた黒地に格子の染め帯(?)を角出しに結び、帯揚げは青楓の文様。
以上から、両輪・先笄いずれでも既婚で、眉は剃っていないから子供は未だいない、ごく最近嫁入りしたばかりの年は二十歳過ぎくらい、となると髪は先笄。
時代は、帯揚げをしているところからみると江戸末期から明治。
若嫁は、窓の外をぼんやり眺め何を考えているのだろう、親の言いつけで顔も知らない人に嫁いできて、かつて恋した人を思い出し、他人の中で暮らす苦労を思っているのか、それとも愛しい人と暮らす幸せをほのぼの感じているのか。
感情の表現をしていないからこそ、窺い知る面白みがあり、またこちらの時々の心持で異なって見える。
(つゞく 「
上村松園展4 能」)

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