(つゞき 「
左利き1」「
左利き4」)
香道の記録は、左利きの方でも右手で筆を持たねばならない。
茶の湯の所作は未だしも、筆は大人になって右手で訓練するのは容易でないと思うので、不公平な要求であることは認める。
当事者は納得しかねるかも知れないが、香の志あらば、そこは頑張って欲しいと云うよりない。
さて、右利きの片岡鶴太郎氏が書画(余り好みではないが)の創作は、あえて左手で筆を持つらしいから、大人になってからでもどうにかなるのかも知れない。
また、数名の左利きの方から、幼少期から筆だけは右手で持っていると聞いた。
親の意向だったかも知れないが、苦労した記憶がないところをみると、個人差もあろうが、案外、鉛筆と違い、筆は利き手以外の手でも持ち易いのか。
字は右利き向きの造形であるから、親として子に、筆は右手でと望むのであれば、試してみるのも良い。
ただし、「左利き4」で書いたように、無理強いには弊害があるので注意されたい。
どちらにしても、香道の記録は書の芸術性を競うものではない。
武道が必ずしも勝敗がすべてではない(なかでも宮中節会を起源とする武道は神事である)のと近い。
以上、芸道においては左利きの方も右の型を守るべきと結論したが、皆さまのご意見をお聞かせいただきたい。
1年ほど前まで、「ぎっちょ」を差別用語と捉える方(殊に自身が左利き)があるのを知らなかったことも付け加えておく。
語源を調べると諸説あるようで、必ずしも差別用語ではないようだが、以来使わないようにしている。(了)
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