(つゞき 「
有元利夫展 天空の音楽1」「
同3」)
絵の中に浮遊するものとして、トランプ、玉、薔薇、雲、そして蓮弁も多い。
「有元利夫 女神たち(宮崎壯佳編 美術出版社)」をめくっただけでも、「春」「花降る日」「音楽を聴く人」「花降る森」「花びら」「遥かなる日々」「花火の日」などがある。
また、容子夫人の「散」にも蓮弁が舞う。
「女神たち」を読むと、その理由がわかる。
ヨーロッパ絵画の影響と仏画からの影響はまさに五分五分なのです。特に『平家納
経』は、僕が大学3年生の時に画集が出版され、これには大きな衝撃を受けたと言っ
ていい。象徴性と装飾性の見事な結合。
また、「有元利夫 絵を描く楽しさ(有元利夫・有元容子・山崎省三著 新潮社)」で、容子夫人も「散」について、こう書いている。
ちょっと仏画みたいな作風ですが、実は有元が『平家納経』が好きで、参考にしてみ
たらといわれて描いたものなんです。
さて、有元が大学3年生の時に衝撃を受けたという本を、私も持っている。
「平家納経」 京都国立博物館編 光琳社出版
(1973年に京都国立博物館が出版、1974年に同じものを光琳社が出版)
例えば、画像は「法華経妙荘厳王本事品第二十七 見返」だが、掌を合せる二人の女性に一条の光(「花降る日」のような)がさし、蓮弁が舞う。
(つゞく 「
有元利夫展 天空の音 5」)
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