(つゞき 「
延寿仙人掌の余慶2」)
裏千家初釜式でいただいた寿扇「延寿仙人掌」を調べるうちに新たに得た知識を書き留めておく。
「
裏千家初釜式」で書いたように、李白の詩にある仙鼠とは千歳を延びた
鼠が変化(へんげ)した
蝙蝠のこと。
愛知大学
名古屋語学教育研究所発行「
語研ニュース No.18」の「蝙蝠はいつからめでたいものとなったのか?」に詳しくいので、ご参照いただきたい。
有鳥二十章其九 元稹
有鳥有鳥衆蝙蝠 鳥有り 鳥有り 衆
アマタの蝙蝠
長伴佳人占華屋 長
ツネに佳人に伴い 華屋を占
シむ
妖鼠多年羽翮生 妖鼠
ヨウソ 多年 羽翮
ウカク生じ
不辨雌雄無本族 雌雄を弁わきまえず 本族も無し
穿墉伺隙善潛身 墉
カキを穿ち隙を伺い 善く身を潜ましむ
晝伏宵飛惡明燭 昼には伏し 宵には飛び 明燭を悪
ニクむ
大廈雖存柱石傾 大廈
タイカ存すと雖
イエドも 柱石傾く
暗齧棟梁成蠹木 暗
ヒソかに棟梁を齧
カみ 木を蠹
ムシバむを成す
洞中蝙蝠 白居易
千年鼠化白蝙蝠 千年鼠は 白き蝙蝠と化し
黑洞深藏避網羅 黒洞深く蔵
カクれて 網羅を避く
遠害全身誠得計 害を遠ざけ身を全うするに 誠に得計なるも
一生幽暗又如何 一生幽暗 又た如何
イカン
(訓読文はいづれも「語研ニュース」)
参考文献 『全唐詩』 178巻37「答族姪僧中孚贈玉泉仙人掌茶」
420巻1「有鳥二十章」、458巻62「洞中蝙蝠」 (了)
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