(つゞき 「
身にまとう和のにほひ7 和のにほひとは」)
現在は
香料と思われているものの多くは、正倉院蔵も然り、元来は
薬として伝来した。
京都二条烏丸東入の辺りは、薬種商が並ぶと同時に何軒かの香舗があるのも、その由縁である。
病気の予防、治癒に使われた以外に、身体から香らせるため、
丸薬として服用されていたのは、
飲香オンコウまたは躰身香と云われる、
薫衣香である。
楊貴妃は、身の回りに香料を用いたことは勿論、体身香もよく知られる。
「薫集類抄」(
参照 「
身にまとう和のにほひ5」)には「或方」とあり、これを服すると、3日目には口が香り、5日目には身体が香る、10日目には衣が香る、20日目には他の人が風に乗る香りに気づく、25日には手を洗った水が香り、30日抱いた赤ちゃんが香るとある。
20年ほど前に、それに近いものを手早く実践したいなら、婦人薬の
中将湯がよいと聞き、知人が1ヶ月ほど試していたが、彼女の体質には合わなかったようだ。
ちなみに中将湯の謂われは、中将姫伝説なのだから、これまた面白い。
参照
「蘇州王氏幃中香 唐化度寺衙香 洪譜 楊貴妃幃中衙香 花蕊夫人衙香」『香乗』
「或方 丁子、藿香、零陵香、青木香、甘松、白芷、當歸、桂心、檳椰子、麝香」『薫集類抄』
(つゞく 「
身にまとう和のにほひ9 香合仏」)
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