先日行った東京国立博物館「華麗なる伊万里、雅の京焼」で面白いと思った解説。
乾山の雲錦手の鉢は器の外内とも下から上にそれぞれ樹が立っているが、
道八のそれは外から内側へ連続して樹の画が描かれている。
さて、鉢の持ち出し方には、流儀により2通りある。
正面(外側手前)を自分に向けて運び、客の前に坐してから鉢を回して正面を正し、客に出す。
または、鉢の正面を初めから客の方に向けて運び、そのまま客に出す。
私が学ぶ裏千家は後者であるため、秋季には左のように正面とする
紅葉を客に向けて運ぶ。
しかし、茶席に坐して、前に置かれた鉢を見る時、外側手前の画より内側向うの方がよく見える。
右の画像がそれである。
雲錦手では、正面を
紅葉にすると、もっともよく目に入る内側向うは
桜になる。
そのため、運んできた時の第一印象を優先するか、畳の上に置かれた時を優先か、迷うところである。
(つゞく 「
その2 曲げの建水」)
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