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2014年 10月 01日
(つゞき 「反魂香4 能『花筐』」)
貴族における平安文学、室町幕府により保護された能に反魂香をみてきたが、江戸の庶民文化「浄瑠璃」にも反魂香は出てくる。 文楽「傾城反魂香」を数度見ているが、傾城(遊女)も反魂香も出てこない。 何故このような外題がつけられているのか疑問であったが、そのままにしていたので改めて調べてみた。 もともと「傾城反魂香」は狩野元信の出世や恋、六角家のお家騒動、絵師又平など、上・中・下之巻からなる複雑な話。 現在は上之巻「土佐将監閑居の段」、通称「吃又どもまた」のみの上演であるから外題とは結び付かず、外題は中之巻「北野右近の馬場の場」「北野社人の宅の場」「三熊野かげろう姿」などに拠る。 「傾城」は、土佐将監光信の娘で遊女遠山のこと。 遠山(今は遣手みや)は、かつて契りを誓った元信が銀杏の前(六角頼賢の姫)と婚礼することを知り、悲嘆に暮れる。 みやは銀杏の前へ49日間の身代りを願い出て、祝言を挙げる。 「北野社人の宅の場」で、みやは香を焚き、元信はみやの頼みで襖に熊野山の絵を描いているところへ、5日前にみやが死んでいると伝えられる。 すなわち、みやは元信を恋い慕う霊魂となって現れている。 なんとおみやは機嫌はよいかと問ひければ. ア丶機嫌よう、にこゝゝ笑うてござんす る. さりながら、志あるとて、酒ささも魚ととも口へ寄せず、樒の香の煙絶やすな. 煙 絶ゆれば、こゝにゐることならぬとて. お寝間の内は抹香でふすぼりますと言ひけ れば. と言ひければ. して. 四郎二郎(元信)はどうしてぞ. ア丶されば、おみや様の 頼みで. お寝間の襖に熊野山の絵を遊ばいてござんする. さてはみやの幽霊疑ふ ところもないとあれば. 腰本驚き、ア丶怖や. なう知らいでそばにゐましたと. 膝のお そばに這ひ寄りて、身をかゞむこそ道理なれ. 「三熊野かげろう姿」で、元信と遠山の「熊野詣の道行」がある。 元信の描いた熊野三山の絵に入るのだが、元信はみやの後ろ姿からその死を覚る。 あら惜しや、あたら夜や. 夫婦の中に咲く花も. 一夜の夢のながめとは. 知らぬ男 の. いたはしやと、泣くよりほかの. ことはなし. 昔の朝の. 身じまひに. 髪にたいた り、裾にとめ. そよとふく紗の色風も. 今焼香に立つ煙. 反魂香とくゆるかや。香炉 の灰の. 灰寄せも、順をいふならこなさんを. 我こそあらめ逆様の. 水の流れの身の ならひ. ところゞゝゝの死に水を. 誰に取られんあさましと. よそにいひなす. 言の葉 を、世になき人とは. そもしらず. (略)先に立つたる我が妻は、真っ逆様に天を踏み. 両手を運んであゆみ行く. はつと驚き、これなう浅ましの姿やな. まことや人の物語、 死したる人の熊野詣は. あるひは逆様後ろ向き、生きたる人には変ると聞. 立ち居 につけて、宵より心にかゝることありしが. さてはそなたは死んだかと. こぼしそめた る涙より、尽きぬ歎きとなりにけり. (日本古典全集76『近松門左衛門③』小学館) 『傾城反魂香』(初演1708)では死者であるおみやが自ら樒しきみの抹香を焚いて霊魂を現わし、『本朝廿四孝』(1766)では八重垣姫が焼香(参照 「十種香の段」)を焚き、亡き勝頼に逢いたいと願う。 また、私は観たことがないが元禄歌舞伎『傾城浅間嶽』(1698)は、人形浄瑠璃『傾城反魂香』に先行する狂言。 小笹巴之丞が傾城奥州と取りかわした起請を火にくべると、煙の中から奥州の生霊が現れて「胸の炎は夜に三度、此方の思いは日に三度、煙くらべん浅間山、あれごらんぜよあさましや」と端唄で巴之丞に恨みを述べるとのこと(煙くらべ → 「塩焼6」)。 いずれも「反魂香」という特殊な香(参照 「反魂香1」)は焚いていない。 落語「反魂香(高尾)」などももあり、江戸の庶民に中国の故事が自由気ままに変化し浸透しているのが、いい加減で面白い。 (f Likeはフェイスブックに登録の方のみ反映) 両方のclick! ありがとう。 →
by ryokusuian
| 2014-10-01 13:57
| 能・文楽・歌舞伎
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