(つゞき 「
千家流と志野流の香道具2 折据」)
「十種香札」は札表に蒔絵で10人分10種の花卉文、1種につき札裏に「一」「二」「三」、月の紋様の描かれた「一」「二」「三」、花の「一」「二」「三」、3枚の「客」、計1人分は12枚で、唐木・漆塗・象牙などで作られる。
代表的組香「十種香(十炷香)」では10炷の香を
聞き分け、1人分12枚のうち10枚の香札を「折据」10枚にそれぞれ打つ。
折据でなく「札筒」という道具に入れる場合もある。
香札を納める箱は香札と通例同材で、その蓋は「銀葉盤
ギンヨウバン」と称す。
銀葉をのせるため、貝や象牙の「菊座」(桜・紅葉・蝶形なども)を象嵌したり貼り付けてある。
画像上は唐木製(江戸後期)、中上は桑製(現代)。
さて、千家流茶道の七事式に用いる「十種香札」も「折据」同様香道具の転用だ。
千家十職の飛来家が作ると聞く(記憶違いかも知れない、ご指摘いただきたい)が、見たことがないので一度拝見したい。
市販の稽古用は香道具に比べると簡易な作りの竹製が多く、箱の蓋には銀葉をのせないので菊座は
ついていない(中下)。
茶道の「十種香札」は、「員茶」「花寄せ」
(大折据と共に)、「一二三」「法磨」
(折据と共に)でしか用いない。
「十種香札」よりも香道具にない茶道独特の5枚の小札「花月札」を折据に入れて用いる方が頻繁で、それには札表に松文、札裏に「月」「花」「一」「二」「三」が描かれている(下左)。
他に「雪月花」
(中折据と共に)で用いる「雪」「月」「花」
「一」「二」…の小札「雪月花札」がある(下右)。
(つゞく 「
千家流と志野流の香道具4 長盆」)
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